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ヤマタノオロチ伝説で有名なスサノオ。
古事記では、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)。
日本書紀では、素戔男尊、素戔嗚尊です。
日本神話でも知名度の高いヒーロー(?)についてまとめました。
スサノオの御利益
- 五穀豊穣
- 厄除け・厄祓い
- 文学・学問向上
- 縁結び
スサノオとは
両親はイザナギとイザナミ
スサノオは、イザナギとイザナミから生まれました。
『古事記』では黄泉の国から帰還したイザナギが、鼻を漱いだ際に生まれたとされます。
左目からはアマテラスが生まれ、右目からはツクヨミが生まれています。
『日本書紀』ではイザナギとイザナミの間に生まれました。
姉のアマテラスとの関係
イザナギは、アマテラスに天を、ツクヨミに夜を、スサノオに海を統べるように命じます。
しかし、スサノオはこれを断り「母(イザナミ)に会いたい」と泣き出す始末。
これに怒ったイザナギによって、高天原を追放されてしまいます。
スサノオは母の故地である根之国に向かう前に、挨拶をしようと姉のアマテラスのもとへ向かいます。
アマテラスは向かってくるスサノオが攻めてきたのだと思い、武装して応対しました。
スサノオは潔白を証明するために誓約を行います。
誓約の結果、潔白を証明したスサノオは高天原に滞在しますが、そこで暴れまわったため、アマテラスは天岩戸に引きこもってしまいます。
これにより、改めて高天原を追放され、地上に降ったのでした。
ヤマタノオロチ伝説
地上に降ると、生贄にされそうな娘に出会います。
美しい娘『稲田姫』を見初めたスサノオは、自身がアマテラスの弟であると明かし、結婚を条件に娘を救います。
この時、稲田姫を櫛に換えヤマタノオロチと戦ったことから、稲田姫は『櫛稲田姫(くしなだひめ)』とも呼ばれるようになりました。
知略をめぐらせ見事ヤマタノオロチを倒したスサノオは、稲田姫を娶り、須賀の地で落ち着いたのでした。
その時に、
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
という、日本最初の和歌を詠みました。
その後
日本書紀では続いて、「木がなくては子が困るだろう」と、体毛を木に変え、種類ごとに用途を定めて全国に植えさせたという記述があります。
ご利益解説
五穀豊穣
スサノオは高天原を追放された際、空腹を覚えてオオゲツヒメを訪ねました。
オオゲツヒメは口や鼻、尻から食物を出して振る舞うのですが、これを見たスサノオは激昂してオオゲツヒメを殺してしまいます。
すると、オオゲツヒメの頭は蚕に、目は稲に、耳は粟に、鼻は小豆に、陰部は麦に、尻は大豆になりました。
それを地上に植えたことが、農産や養蚕の始まりとされています。
五穀豊穣はこの説話からきています。
いわゆる『ハイヌウェレ神話』と言われるもので、世界中で見られるのだそうです。
厄除け・厄払い
スサノオは祇園信仰で知られる『牛頭天王』と同一視されます。
スサノオも牛頭天王も荒神です。
暴れられると大変ですが、守ってくれるなら心強い。
牛頭天王は道教色の強い神様とされます。
平安京の時代は、流行り病や天災などを祟りとして恐れていました。
土地柄としても、そういった『厄』から身を守ったり、祓ったりすることが求められたのでしょう。
文学・学問向上
日本最初の和歌を詠んだというのが由来です。
スサノオというと強い暴れん坊なイメージが強いですが、風流な側面もあったのですね。
縁結び
ヤマタノオロチ伝説における、クシナダヒメとのご縁が由来です。
どちらかというと、クシナダヒメも縁結びや恋愛運アップのご利益をいただけます。
【神社】相模国総社 大磯 六所神社(ろくしょじんじゃ)<櫛稲田姫命><湯津爪櫛守り>
まとめに
いかがでしたでしょうか?
母を想って泣いたり、暴れまわって追放されたり、大蛇を知略と勇気で倒したり、和歌を詠んだり…
日本神話の中でも「人間らしい」スサノオ。
だんだんと成長していく過程を見たように感じます。
実は、ヤマタノオロチを倒してクシナダヒメと仲睦まじく暮らしました…の続きにも出てきたりします。
スサノオは、娘の彼氏に試練を与えるお父さんの顔もあるのです。笑
そのお話は、娘の彼氏…大国主のお話でできたらと思います。