目次
以前から行ってみたかった横浜の『大綱金毘羅神社』に参拝して参りました!
横浜駅の西口から徒歩5分ほど、鶴屋町方面に抜けた先の…現在は住宅街の中にあります。
横浜駅すぐ近くの好立地でマンションが立ち並ぶ中、ゆるやかな坂の先にあります。
歌川広重の『東海道五十三次 台之景』は、おそらく大綱金刀比羅神社の前から見た景色なのではないでしょうか。
奥から3つめの「さくらや」というお店は、現在も運営している料亭『田中屋』さんの前身なのだそう!
『田中屋』は坂本竜馬の妻、おりょうさんが働いていた料亭です。
横浜駅はこの絵の左の方~の海のさらに向こうです。
今は埋め立てによって海岸は離れてしまいましたが、江戸時代にはすぐ目の前が海だったのですね。
大綱金刀比羅神社のご由緒
大綱金刀比羅神社の創建に関わっているのは、関東の神社建立の立役者(?)、源頼朝です。
源頼朝は、治承3年(西暦1180年)に石橋山の戦いに敗れた後、安房国(現在の千葉県)を目指します。
安房国に向かうには海を渡らなければなりません。
逃亡の途中、荒れた海に疲労困憊の中まどろんでいると、飯綱大権現の霊示があり、目を覚ましたら海は凪いでた。
こうして無事に安房国に逃れることができた頼朝は、その恩を忘れず、後年「勝軍飯綱大権現」として祠を建てたのでした。
源頼朝は、源氏復興の悲願を叶えるまでに信心し、関東平定後は恩返しにと各所で神社建立をしているんですよね。
おかげさまで関東中心に神社巡りをしていると、東京・神奈川・伊豆のあたりは、高確率で頼朝の名前があります。
歴史の授業では全く興味なかったけども、神社巡っているうちに好きになりました源頼朝。
源頼朝、まじスピリチュアリスト。
飯綱権現は、長野県の飯綱山に対する山岳信仰です。
白狐に乗った烏天狗の姿で、戦勝の神として歴代の武将たちから信仰されています。
上杉謙信の兜には飯綱権現が置かれているほど。
また、武将だけではなく忍者(ニンジャ!!)からも信仰篤い。
『管狐』などの呪術もあったそうな。
竹筒に入るサイズの狐を操って、憑りつかせて病気にさせたりするのだとか…
竹筒に入るサイズの狐とか、めっちゃカワイイですけど怖いですね。
というわけで、源頼朝により横浜の小山に祀られた飯綱権現ですが、同じ山には末社として後に合祀される『金刀比羅神社』がありました。
東海道五拾参次の台之景を見るとわかるように、以前は目の前が海だったようですから、水難除け、航海安全を司る金刀比羅様が信仰されていたのは道理ですね。
江戸時代には廻船が活発に行き来し、また東海道の要所神奈川宿として、界隈はさぞ賑わっていたのでしょうね。
(今も横浜駅は世界でも有数の乗車数として混みこみですが…)
「飯綱大権現」「金刀比羅大権現」は、明治2年に「大綱神社」「金刀比羅神社」と改称。
そして、明治14年に合祀し現在の『大綱金刀比羅神社』となりました。
大綱金刀比羅神社のご祭神
大綱金刀比羅神社のご祭神について。
HPを拝見すると、
今でも横浜の金刀比羅(こんぴら)さんの御神徳を知る多くの船舶関係者を始め、農業、建築関係、医療関係者、民衆にいたるまで崇敬の捻 頗る厚く十六神の御神徳を頂ける神社であります。
と、あります。
御祭神…大国主神 金山彦神 日本武尊 大山津見神
末社…荒神社(火之迦具土神) 横浜弁財天(興津島比売命 市杵島比売命 多岐津島比売命) 稲荷社(宇迦之御魂神) 龍神社(闇淤加美神 闇御津羽神)
内神…船霊神 猿田彦尊 不動明王 十一面観音 烏天狗 飯綱権現 大日如来
16柱に収まらない…笑
同一視する神様がおわすからかな。
とかく、多くの御神徳を得られるということです!
今の本殿は元神楽殿
創設当初は階段を上ってすぐの場所に本殿があったそうですが、現在は左手にある元神楽殿が仮社殿となっています。
何度も裏山の土砂崩れによって倒壊したため、仮殿として使用したまま30年以上が経過しているのだとか。
現在、「裏山」であっただろう背後には、やはり住宅地になっていて…
もう倒壊の心配はないのでしょうけども…
現代ではなかなか社殿を建てるのは難しいのかも。
写真のように、本殿の跡地も神域です。
東海道五十三次に描かれた江戸の時代なら、神奈川宿の一通り多い賑やかな場所だったのでしょう。
しかし今は繁華街の鶴屋町の、さらに奥。
横浜駅徒歩圏内の好立地に乱立した住宅街の片隅に、そこだけ緑が色濃く残る、静かな空間になっています。
在りつづけてくれることに感謝するばかりです。
神社のワビサビだと思います。浪漫があると思う。
仮殿の横には木彫りの天狗様が。
カッコイイ!
境内社
竜神社&弁天社
龍神社に祀られている神様は、
闇淤加美神(くらおかみのかみ)
闇御津羽神(くらみつはのかみ)
雨乞、止雨の霊験があり、灌漑・養蚕の守護を司り給う大神。
灌漑(かんがい)とは、田畑に必要な水を引き、耕作地を潤すこと。
日本の産業の礎ですね。
弁天社に祀られている神様は、
興津島比売命(おきつしまひめのみこと)
市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)
多岐津島比売命(たぎつしまひめのみこと)
陸上、航海安全、漁業、運輸、五穀豊穣、国家平穏、芸能を司り給う大神。
弁天様と同一視される宗像三女神ですね!
航海安全に運輸…古くから商業の要だった横浜に必須の恩恵です。
三宝荒神社
三宝荒神社の祭神は、
火之迦具土神(ほのかぐつちのかみ)
鉱業、製鉄、農機具、刃物、陶磁器製造、金銀財宝、金運、招福、鎮火、防災を司り給う大神。
龍神社の闇淤加美神と闇御津羽神は、火之迦具土神の血から生まれた神様です。
火の神様から水の神様が生まれる日本神話の不思議…
稲荷社
日本一数が多いと言われるお稲荷さんはもちろんあります。
ご祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)です。
社務所
画像奥に社務所があります。
平日の昼間だったからか、人の気配がなかったのでほんのり覗いただけですが、チャイムを押したら来てくれる…のかな?
こちらで御朱印も頂けそうです。
古札納め所は常に設置されているようなので、いつでも持ち込めますね!
なんというか、おばあちゃん家来たみたいな感覚に陥る…。笑
【開運】御朱印はお札と同等です!敬意を持って寺社を巡り、御朱印を集めよう!
まとめに
大綱金刀比羅神社は、横浜駅からちょっと足を伸ばしてすぐに行ける場所にあります。
1度の参拝で、戦勝祈願から陸上&航海の安全、五穀豊穣、金銀財宝、招福と…
万全な祈願ができる素敵な神社。
横浜はよく行く機会があるので、折に触れて参拝したい所存です!
都道府県別の神社仏閣まとめ 御朱印/御神塩/御神水(お水取り)/御神土(お土取り)