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空には雲もなく晴れているのに、パラパラと雨が降ってくる。
『狐の嫁入り』『お天気雨』『日照雨(ひでりあめ)』などと呼ばれるこの不思議な現象。
実は吉兆だということ、ご存知でしたか?
神社仏閣参拝時の『歓迎サイン』についてはこちら
⇒【神社仏閣の歓迎サイン】晴・雨・曇り・雪の移り変わり…神社仏閣を参拝している時に天候が変わるのは歓迎サイン!
『狐の嫁入り』の由来
元々の意味の『狐の嫁入り』は、まるで嫁入り行列の提灯のように狐火(鬼火)が並んで行くこと。
夜、暗い林の方を見ると、ぽつ…ぽつ…と青白い光が灯る。
狐火が列をなして進んでいく光景を見た人が、「狐が人間をまねて嫁入り行列をしている」と噂をしはじめたんですね。
何か不思議な現象があると「狐に化かされた」と狐の仕業にされる時代がありました。
そしていつしか「狐が嫁入りをするときには天気雨が降る」という話が生まれ、一緒に語り継がれてきたようです。
また、狐は豊穣の神であるウカノミタマノカミ(稲荷大明神)の御使いです。
雨は農作物に欠かせない天からの恵みですので、明るく晴れている中に慈雨が降り注ぐ様を見て、豊穣の吉兆とされたのだと推測されます。
天橋立でやる「股のぞき」のしぐさがありますね。
あれは「逆さ」になって「前を向いてる」のに「後ろを見る」しぐさです。
天橋立では逆さになってみることで、天空に橋がかかっているように見えるのですが、日本の各地方では「葬式」や「厄落とし」で同様のしぐさをすることがあるのだとか。
『天気雨』もまた、「晴れている」のに「雨が降っている」あべこべな状態ですから、その一帯は異界との境界線があいまいになって『狐の嫁入り』をみることができる。
または、「見ることができると考えられた」のかもしれません。
通常の雨と違い、お天気雨では陽光降り注ぐ中で、恵みの雨がキラキラ光る明るい光景ですから、何か不思議な感覚に包まれても「吉兆」を感じさせてくれるのでしょう。
以前、京都に神社めぐりをしに行ったとき、何度も『お天気雨』に遭遇したんです。
よく覚えてるのは松尾大社と上賀茂神社。
松尾大社はお庭を見ている時に。
上賀茂神社は参拝が終わって鳥居に向かう時に。
どちらも嬉しい歓迎サインだなぁと思ったのを覚えています。
今こうして思い出しても頬が緩むような、良い体験をさせて頂きました。
この経験から私も体感で「吉兆」だと信じています(*^^*)
松尾大社の記事でも載せていますが、その時の動画。
美事なお天気雨! pic.twitter.com/EQznlWg7bC
— REINA (@reina_QV) December 12, 2018
【神社】醸造祖神 洛西総氏神 松尾大社 <服酒守><霊泉 亀の井><松風苑>他
【神社】世界文化遺産 賀茂別雷神社(上賀茂神社)<片山御子神社(片岡社)><立砂>他
見てはいけない『狐の嫁入り』?
でも狐火が並ぶ元の意味の『狐の嫁入りの行列』には、実は怖い話もいくつか…。
夜、暗い森の中をゆく狐火並ぶ嫁入り行列に出くわしてしまったら…決して顔を上げずに通り過ぎるまで息をひそめていなくてはならない…
見ているのがバレてしまったら…
という怪談。
ちなみに見ているのがばれた後は「行列に加わる(死んでしまう)」というのが多いですね。諸説あります。
吉兆は「お天気雨」を指す『狐の嫁入り』のこと。
怪火の不思議さを同一視して「狐が嫁入りしてるんだねぇ」なんて言ってたのが定着したんでしょうか。
言葉というのは、耳触りが良かったり、語感がしっくりくると爆発的に口伝で広がっていきますから。
おめでたい日に流す花嫁の涙
『狐の嫁入り』にまつわるお話は日本各地に色々な形で残っています。
中には悲恋や、狐を生贄にするなど悲しい話もある様子。
「おめでたい日なのに花嫁が涙を流す」という現象。
感極まった涙なのか、それとも…昔ならば多かったであろう望まない結婚だったのかもしれません。
そういったお話が残っている地域では、言葉の意味も変わってくるようです。
狐火のはなし
『狐火』というのは、「死者の魂がさまよっている」だとか「狐の吐息が青白く光る」「狐が尾を打ち鳴らして火を起こしている」「狐が加えている骨が光っている」など俗説が多く出ています。
科学的に言われているのは、骨の中に含まれるリンが発行する光ではないか、という説も。
しかし、「列をなす提灯のような光」「空中を浮遊する狐火」など、リンの発光では説明がつかない事例も多く、いまなおはっきりと解明はされていません。
私が見た狐火
私はスピリチュアルやオカルト話が小さいころから大好きなんですけども、残念ながら開運以外の不思議体験はとんと少ないんですよ。
でも狐火を見たことがあるんです!
今の家に引っ越して少し経った頃。地元の最寄駅から帰宅途中。
近くにある、住宅地もある小さな山に…ふよ~~~~~っと右から左に動く光が。
高さ的に道路があってもおかしくない位置だし、車のヘッドライトかな?と最初は思ったのですが、何度も通ったその道から、そこに光が見えたことなんてなくて…
色もちょっとオレンジがかっていて、光も大きめ。
しかも道路を走るなら手前の建物でさえぎられる場所があるはずなんですけども、障害物がまるでないように…点滅もしないでふよ~~~~~っと動いていました。
数メートル動いたらぱっ…と何事もなかったかのように消えてしまったのですが、違和感ばかりが残って、「不思議体験したなぁ♪」ぐらいに喜んでいたのです。
後日、近所を散策していて、その狐火が消えたあたりの場所で、大きな木のふもとにある小さなお稲荷様を見つけたのでした。
お稲荷様を発見したとき、その場所から当時私が狐火を見た道が見えたときに、2度感動してしまいました。
まとめに
夜の『狐の嫁入り』は怖いけど、昼の『狐の嫁入り』は吉兆。
今の季節、初夏から夏にかけてが一番天気雨が多い時期です。
晴れた日に優しい雨が降ってきたら、どこか近くで狐が嫁入りをしてるのかも。
お天気雨は夏だけの現象ではないのですが、見やすい季節なのは間違いないです。
ちょうど虹もかかりやすいころ。
幸運にもお天気雨に遭遇したら、幸せのおすそ分けとして受けとりましょう◎