【おみくじ和歌の意味】「立ちよれば そでになびきて 白萩の~」現代語訳とスピリチュアル解釈

おみくじには、大吉や凶などの大まかな運勢だけでなく、願い事・縁談・学業といった項目別の運勢、さらには「和歌」や「神の教え」といった文章が添えられていることがあります。

中でも和歌は表現が抽象的で、神仏からどんなメッセージを受け取ればよいのか迷うこともしばしば。

私は初詣だけでなく、旅行や参拝のたびにおみくじを引くのですが、「これはどういう意味だろう?」と解釈に悩むことが多々あります。

そこで今回は、鹿児島県の蒲生八幡神社で引いた和歌について、私なりの現代語訳とスピリチュアルな解釈を備忘録としてまとめます。

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実際に引いた立ちよれば~のおみくじ

立ちよれば そでになびきて 白萩の
花のかゆらぐ 月の下かげ

和歌の詠み人は不明です。
一部のネット記事やQ&Aでは「明治天皇の御製ではないか」という説も見かけますが、その根拠は「明治神宮のおみくじに掲載されていたことがある」というもので、一次資料による裏付けは確認できませんでした。

私がこの和歌のおみくじを引いたのは、鹿児島県の蒲生八幡神社。明治神宮とは直接の関連がないため、現時点では明治天皇御製と断定する材料には乏しいと考えられます。

明治神宮では【大御心】という、明治天皇御製や昭憲皇太后御歌から選ばれた和歌を用いた独自のおみくじがあります。
そのため、本和歌が明治天皇御製と混同されている可能性があります。

この「立ちよれば〜」は全国の多くの神社で使われている一般的なおみくじの一つです。

参考:明治神宮公式サイト 大御心

現代語訳と情景描写

明るい月夜

現代語訳にすると…

立ち寄ったとき、白萩の花が袖に触れてそよぎ、その香りがふわりと漂う
月明かりの下、その影(または光)がやわらかく揺れている

白萩は秋を代表する花で、控えめながら清楚な美しさを持ちます。

「立ち寄れば」は、恋の歌として読めば意中の人の家の近くに立ち寄った情景とも取れますし、純粋に花のそばに近づいた様子とも解釈できます。

夜の静けさの中、月明かりに照らされた白萩の枝がそよぎ、ほのかな香りが漂う…
そんな幻想的な、秋の夜を切り取った一首です。

切ないような、心が凪ぐような、素敵な歌ですね。

白萩の花が持つ意味と象徴

光を反射する白萩の花

白萩は秋を象徴する清楚な花で、その花言葉には「思案」「想い」「内気」「柔軟な精神」などがあります。

白萩の香りは強くはなく、控えめで上品。
そばに寄ったときにふわりと漂い、優しく甘みを含んだ香りが鼻腔をくすぐります。

「月の下かげ」は、単に月明かりでできる影という意味だけでなく、平安時代の歌に見られる「輝き」や「揺らめく光」を表す場合もあります。

白萩の白い花びらが月明かりを受け、反射してほのかにきらめく様子とも取れるでしょう。

葉や花が密集する白萩の姿は、影が揺れるというよりも、光を受けて柔らかく瞬くように見えます。

和歌の中に描かれた情景は、そんな幻想的な秋の夜を描いています。

スピリチュアルなメッセージの読み解き

蒲生八幡神社の狛犬と雨上がりの青空

私は参拝の際、祈願を終えてからおみくじを引くようにしています。

この日訪れた鹿児島県の蒲生八幡神社は、初めての参拝でした。

境内では、お天気雨、神様トンボ、ナナフシなど、歓迎のサインとも思える出来事がいくつもあり、不思議と相性の良さを感じました。

しかし、私はまもなく南九州を離れる予定で、次に訪れることができるのは、いつになるかは分かりません。

もしかすると、この人生では一度きりの参拝になるかもしれない…

そう考えると、願い事ではなく感謝の挨拶を込めて手を合わせました。

立ちよれば そでになびきて 白萩の
花のかゆらぐ 月の下かげ

この和歌は、私にとって「ご縁をいただき参拝できたこと」そのものを表しているように感じます

たとえ一度きりであっても、控えめでかすかなものであっても、この参拝で神様の神気に触れ、清らかな導きをいただいた…そんな印象を強く受けました。

和歌と合わせて届いた現実的アドバイス

天使のはしご

時期を考えてはやくあらため進むがよい
人と人と互いに力あわせてすれば よきみちあり
けれど わるいみちと知りつつ進めばわるし 注意せよ

  • 「時期を考えて」=状況や潮目を読むこと
  • 「はやくあらため」=判断を適切かつ迅速に行うこと
  • 「人と人と互いに力あわせて」=信頼できる人との協力が運を開く
  • 「わるいみちと知りつつ進めばわるし」=倫理に反する近道や誘惑は身を滅ぼす

和歌の幻想的な情景とは対照的に、こちらは非常に現実的なメッセージです。

思考停止で流れに任せるのではなく、自らの頭で考え、取捨選択の判断を素早く下し、誠実に道を歩むことを諭しています。

和歌と合わせて読むと、「神様は見守ってくださっているからこそ、清らかな心で正しい道を進みなさい」という宣託として受け取ることができます。

まとめ:和歌が伝える「ご縁と正しい道」

蒲生八幡神社の日本一大きな楠

今回引いた和歌は、月明かりに揺れる白萩の情景を通して、「一期一会のご縁を大切にすること」を思い起こさせてくれました。

それは、目立たなくても静かに心に響くような、小さく清らかな出会いの尊さです。

そして、おみくじに添えられた現実的な言葉は、そのご縁を活かすための行動指針を示しています。

状況を見極め、正しい選択を迅速に行い、信頼できる人と力を合わせること。
誘惑や安易な道に流されず、誠実に歩むこと。

和歌と教えを合わせて読むと、「ご縁によってもたらされる機会を、清らかな心と正しい道で育てなさい」という神様からのメッセージとして受け取ることができます。

参拝の思い出とともに、この言葉を今後の道しるべにしていきたいと思います。

なお、おみくじの解釈は人それぞれです。
置かれている状況や心境によっても意味は変わります。

ここでの解釈はあくまで一例として、参考になれば幸いです。

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