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神社でいただける授与品には、よく知られた「塩」だけでなく、『土』や『砂』もあります。
「塩」は盛り塩として広く知られており、使い方がイメージしやすいかもしれませんが、「土」や「砂」の使い方がわからない方も多いのではないでしょうか?
厄除けという点では塩と似た効果を持ちますが、土ならではの性質もあります。
この記事では、神社での公式な使い方に加え、風水やスピリチュアルの視点から『清め砂』や『御神土』の効果的な活用法を詳しく解説します!
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『御神土』や『御神砂』の厄除け・浄化効果
神聖な「御神土」や「御神砂」は、空間を清めるためや土地の浄化に広く用いられています。
これらの「清め土」や「清め砂」は、古くから「地鎮祭」などの儀式にも使用されており、その信仰の歴史は長いです。
大きな神社では、「清めの土」や「砂」がよく扱われています。
中でも日本で有名な「御神土(ごしんど)」を扱う神社の一つが「上賀茂神社」です。
上賀茂神社の二の鳥居をくぐると、目を引くのが「立砂(たてずな)」と呼ばれる円錐状の盛砂です。
この立砂は、本殿の後方2キロメートルに位置する「神山(こうやま)」を象徴しており、古代には本殿がなかったため、この立砂を神籬(ひもろぎ)として祀っていた名残があります。
また、上賀茂神社では「斎砂(いみすな)」として清められた『御神土』が、初穂料500円で頒布されています。
この『斎砂』は神社の神聖な土地から取られたもので、強力な御神威が宿っています。
『御神土』や『清め土』は、多くの神社で授与されていますが、神社ごとに名前や由来が異なります。
例えば、「斎砂(いみすな)」や「神砂(おすな)」など、異なる名称で呼ばれることもありますが、これらは基本的に厄除けや場の浄化に使用され、使い方は共通しています。
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様々な由来がある各神社の『土』や『砂』
神社によって「土」や「砂」の採取方法や由来は異なりますが、神気をまとう土なので、塩と同様に基本的には「お清め」に使用します。
寒川神社の『御神土』
神奈川県の寒川神社では、ご祈祷を受けた際に頂ける授与品に『御神土』が含まれています。
寒川神社の『御神土』については、次のように説明されています。
御神土は、寒川大明神の静まります清浄なる神域の清め土でございます。
建築場所・転宅場所・開店または気がかりな場所、或いは敷地の四隅及び入り口、玄関等に撒きお清め下さい。(略)寒川神社 ご祈祷 授与品の説明書きより引用
【神社】相模国一之宮 寒川神社 <方災除け><八方除け><神獄山神苑>
砥鹿神社の『神砂』
もうひとつ、先日参拝した砥鹿神社の『砥鹿の神砂』から。
天児屋根命をお祀りする末社八幡宮の透塀より垣間見る盛砂は神を招きよせる神籬を模したもので、砥鹿神社の神砂はここから採取しております。
「砥鹿の神砂」説明書きより引用
『土』や『砂』のスピリチュアルな性質
「塩」と「土」には、それぞれ異なるスピリチュアルな性質があります。
ここでは、両者の違いと特徴について解説します。
「塩」は古くから強力な「祓う」力があるとされ、悪いエネルギーや穢れを瞬時に散らす能力が信じられています。
海水での禊(みそぎ)などからも、その浄化作用が明らかです。
塩は迅速に邪気を取り除き、空間を清めるのに適しています。
一方、「土」や「砂」は、「気」をまとう力が強いようです。
土は大地の一部として、良い気も悪い気も沈着しやすい特性を持っています。
自然界では、大地が農作物を育み、また腐敗して養分となり、循環する特性があります。
このことから、土は陰から陽へと変わる性質を持ち、じっくりとエネルギーを変容させる力があります。
塩と比較すると、「土」は効果が遅効性であり、少しずつ場の「気」の波動を上げ、長期間にわたって効果を持続させます。
建物を建てる際に「土」や「砂」を使用するのは、その浄化作用の特性に加え、長期間にわたって効果を発揮する性質が理由です。
このように、「塩」と「土」や「砂」には、それぞれ異なるスピリチュアルな役割と効果があり、使い分けることで最大限の浄化効果を得ることができます。
方位取りの「お土取り」について
風水における「お水取り」や「お土取り」は、吉方位の水や土を持ち帰ることで運気を向上させるとされています。
私もこの考えに基づき、神社で授与される土に興味を持っていました。
しかし、勝手に土を持ち帰ることは非常にリスクが高いです。
土はその土地の「気」を宿しやすく、悪いエネルギーが含まれている可能性があるためです。
もしも悪影響のある場所から土を持ち帰ってしまうと、霊障や不運を招く恐れがあります。
また、神社や聖域の土を無断で持ち帰ることは、倫理的にも問題です。
神社仏閣は神様仏様がいる時間は問題ありませんが、それは朝の4時から16時まで。
夜の間には、多次元的に魑魅魍魎がいることだってあるのです。
土は良くも悪くも「留めやすい」ので、勝手に持ってきた神気も入っていない境内の土というのは、どんな状態かわかりません。
そのため、土を持ち帰る際には、必ず正規の方法で手に入れることが重要です。
神社や仏閣で正式に取り扱われている『御神土』や『清め砂』を、授与所などの公式ルートで入手することで、安心して利用できます。
このように、正しい手順で「お土取り」を行うことで、風水の効果を最大限に引き出し、安全に運気を高めることができます。
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御神土・御神砂・清め砂の使い方
御神土をお清めに使う方法
基本の使い方です!!
砥鹿神社の「砥鹿の神砂」説明書きには、
✦ 住宅・会社等の建造物を建てる時や取り壊す時、また回収する時。
✦ 庭木・樹木を伐採する時。
✦ 入居または、入所する時や開店、開業、開所等、新しく事を始める時。
✦ 住まい、仕事場あるいは所有地、所有物や身体で、穢、不浄が気になる時。
✦ 方位除けや鬼門除けをする時。「砥鹿の神砂」説明書きより引用
清めの塩と使い方は似ていますが、土はその場に神気を溶け込ませるようなイメージです。
塩と違う部分として、塩は盛り塩などで使用した後は回収して廃棄しますが、土は可能ならば撒いたままにするのがベスト。
建造物に使い場合、敷地も所有しているものならば、四隅に撒いてそのまま自然に還します。
マンションや、お部屋の中で使用する場合は、紙を敷いてその上に盛り土をし、十日くらい置いておきます。
塩ならば数時間で終了ですが、土の場合はゆっくりじっくり効果が出ますので、時間がかかるのですね。
神気の宿った清め土なので、撒くだけでも十分効果が発揮されると思いますが、「砥鹿の神砂」説明書きに、より丁寧な撒き方が載っていたのでそちらも引用します。
神砂の撒き方
一、神社から受けた神砂を容器(底の浅い器・皿など)に移します。
二、移した容器を両手で持ち お清めする場所の正面に立ち一礼(軽くお辞儀)をします。
三、神砂は撒く人を中心にして、左・右・左と三回に分け撒き、終わりに一礼をします。
※撒き方は、神砂の容器を左手で持ち 右手の指で神砂をつまみ持ち、撒きます。
※神砂の量は一ヶ所に一袋ぐらい撒くことを目安としてください。「砥鹿の神砂」説明書きより引用
この記事で参考に多数引用しているこの説明書き、かなり有用な情報だと思うのですが、なんと砥鹿神社の社務所前で無料配布されています。
ぜひ参拝し、手に入れて参考にしてくださいませ('ω')ノ
砥鹿神社は愛知県、旧三河国の一之宮です。
金運アップで有名な豊川稲荷も近いですよ~♪
【神社】三河國一之宮『砥鹿神社』<三河ゑびす社><砥鹿の神砂><御朱印>
土を使った健康運アップの風水術
私が最初に風水術として「土」の効果を知ったのが、田口真堂さんの『気学入門』という本に載っていたもの。
土遁の術
吉方の土地に行って、土をいただいてくることになります。
(略)
取ってきた土は、小さなビニールの袋に入れ、お守りとして、自分の内ポケットに入れて持ち歩くか、勉強している机の下に、少し袋の口を開けて、土の気が出るようにしておけば、健康になり運が開けます。
病人の場合は、布団の上にビニールシートや新聞紙を敷いて、いただいてきた土を全体に少し撒いて、その上に新聞紙やシーツを敷いて寝るようにすると、土の気を受けて病気が良くなり運が開けます。
『気学風水入門/田口真堂 著』より引用
「土遁の術」という響きがニンジャみたいでカッコイイ。童心が疼く。笑
そして、今回メインで引用している、砥鹿神社の説明書きにも近い記述が。
病床を清める場合は、神砂を紙・ビニール等でくるみ、ふとんの下に入れてください。
「砥鹿の神砂」説明書きより引用
土の場合は「じっくりゆっくり」が効果を最大限引き出すコツになりますので、盛り土と同じく十日くらいが目安になるでしょうか。
『晴明神社の土』は魔を祓える?
2018年の画像ですが(^^;)
晴明神社の『清め砂』。初穂料1000円。
興味深いことに、晴明神社の「清め土」は魔を祓う効果があるんだそう。
安倍晴明と言えば日本一有名な実力派陰陽師。
現在は京都の晴明神社をはじめ、幅広く神様として信仰を集めています。
桜井識子さんの『神様と仏様から聞いた 人生が楽になるコツ』という本で晴明神社が紹介された際に、晴明神社の『清め砂』を使った魔を祓う方法を紹介されています。
「魔」の力がつかえる神様
晴明神社の御祭神は陰陽師だった安倍晴明さんです。
この神様は、驚くことに「魔」の力を今でも使えます。
相手がかけた呪いを返すためには、同じ「魔」の力を使わないとできない場合が多く、その意味では呪詛返しは晴明さんにお願いするしか方法はないと言っても過言ではありません。『人生が楽になるコツ/桜井識子 著』より引用
「お清め」の範疇ですが、具体的に降りかかっている魔…というか、邪視や邪念の類を「返す」ことが出来るようです。
呪詛返し!!陰陽師っぽい!!
興味がある方は本に詳しくやり方が載っているので確認してみてください。
113ページの【晴明神社】の項目に載ってます。
ここからは私の憶測です。
晴明神社では「清め塩」も扱っていましたが、呪詛を返すには「土」なんだろうなと。
「塩」だとパッと祓うことはできても、性質的に乗せて返すことは難しいんじゃないかな。
馴染む性質がある、清濁抱え込める素材であるという点で「土」「砂」であることが重要なんじゃないかと考察しています。
『御神土』は捨てられない!?
すごく重要な点として、「土・砂」は処分が難しい場合があります。
御神土・御神砂としていただいてくる場合は少量ですので、お庭のある一軒家、または花壇などがあれば問題ありません。
撒くことで処分でき、さらに土の波動が上がり良いことばかりです。
ですが、マンション住まいだとベランダに撒くわけにはいきませんし、「土・砂」は自然物なのでゴミ収集にも出せないのです…
方法としては、
✦不用品回収業者に依頼する
という方法が正攻法です。
しかし手間と料金がかかるので…植木鉢やプランターで、エンドレスに何かしらの植物を育て続けるのがおすすめかな(^^;)
野菜でもお花でも!!
以前、知り合いに「鉢植えもないんだけどどうしたらいい…?」と言われて困惑しました。
現代では自分が所属している生活圏内に、一切「土」がないことも珍しくないんだなと。
確かに、私もマンション住みなので、鉢植えがなかったら処分できない…。
陰陽五行はバランスが大事で、「土」属性が足りない場合、健康運が細くなりやすいです。
身体を壊すような凶作用があるわけではないんだけども、運勢が上がりにくいというか…弱い。
「使い方」のひとつに健康祈願のおまじない術があったように、「土」は物質的な自分自身、「身体」と親和性が高いのです。
もしあなたも今、御神土を神社で頂いたけど、処分する方法がないという状況ならば…
これを機会に、鉢植えで土から植物を育ててみるのはいかがでしょう?
中型の鉢植えだと、部屋の浄化にも、波動の調整にも活躍してくれておすすめですよー♪
まとめに
「御神土」や「清め砂」の使い方やスピリチュアルな側面についてのまとめでした。
「塩」や「土」、「砂」といった授与品には、それぞれ独自のエネルギーと効果があります。
塩が瞬時に浄化を促す一方で、土や砂はじっくりとエネルギーを変容させる特性を持っています。
どちらも大切な役割を果たし、使い方によって最大限の効果を引き出すことができます。
「土」「砂」は塩と同様に強力なスピリチュアルツールです。
特に、建造物や土地の浄化、身体頑健のまじないにおいては、塩以上にその相性が良いので、ぜひ積極的に活用してみてください(*^^*)
また、土や砂を扱っている神社仏閣については、下記の都道府県別神社仏閣記事一覧でざっくりわかるようにしていますので、参考になれば幸いです。
都道府県別の神社仏閣まとめ 御朱印/御神塩/御神水(お水取り)/御神土(お土取り)